神戸連続児童殺傷事件「酒鬼薔薇聖斗」が生まれた原因は母親の愛情不足 【時事邂逅】
2015/07/13
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。
久しぶりの時事邂逅。
この事件はいずれ扱わなければならないと思っていました。
なんて考えていた矢先、こんな記事が。
かつて、少年の猟奇的犯行がクローズアップされて過剰な報道がなされた、酒鬼薔薇聖斗事件であるが、本日発売の某雑誌に、当時の審判のほぼ全文が掲載されたそうである。
ということで、さっそくコンビニで購入。読んでみましたよ。
さすがに全文引用するわけにはいかないので部分的に気になった部分のみピックアップして感想を述べさせていただきます。
一言で言うと、運が悪かった。
そして、少年だからこそ起こってしまった犯罪なのだと感じました。
いくつかターニングポイントがあって、普通、そこで気づく、気づかせる何かがあるのですが、それがなく、結果最悪の形になってしまったと感じています。
最初のターニングポイントは母親の厳しいしつけです。
少年は、母乳で育てられたが、母は10月で離乳を強行した。具体的な事は分からないが、鑑定人は、1才までの母子一体の関係の時期が少年に最低限の満足を与えていなかった疑いがあるという(中略)
母は、少年が幼稚園に行って恥をかくことのないよう、団体生活で必要な生活習慣や能力をきっちり身に付けさせようと、排尿、排便、食事、着替え、玩具の後片付け等を早めに厳しく仕付けた。
こういったしつけの仕方は当時はまだ、いや、当時辺りから間違ったしつけの形だと言われていました。
が、実際は未だにそういったしつけを行っている家庭は結構あるようです。
つまり、手を上げたり、精神的な圧力をかけて子どもを萎縮させ、言うことを聞かせるというしつけの形。
これは、明らかに間違っていて、子どもに自ら考える余地を与えず、何らかの歪んだ精神を植えつけるだけの行為だと感じています。
ただ、これだけに原因を押し付けるのはあまりにも母親には酷ですし、これは一因にすぎないと思っています。
なお、小学3年のときに母親からの厳しいしつけが原因で少年は
「お母さんの姿が見えなくなった。以前住んでいた家の台所が見える」等と言い、目の焦点が定まらない等様子がおかしくなって、医師の診断をうけた。母の過干渉による軽いノイローゼと診断され、
と言った状況にまで陥ったことで
母は、その後、押しつけ的教育を改め、少年の意思を尊重しようと心掛けた。
そうなのですが、時既に遅し、この時、既に少年には歪んだ性衝動が芽生え始めていたのです。
次のターニングポイントは猫殺しです。
少年は小学校5年に祖母の死を経験し、そのころから「ナメクジ」にはじまり、「カエル」殺し等をはじめ、小学校6年になり、それがついに「ネコ」にまで及びます。
祖母の死との繋がりは不明であるが、ナメクジを待ち針で止めて、剃刀で腹部を裂いたり、カエルを待ち針で机に張り付けにして解剖したりすることが始まった。切ったり割いたり内臓を見るのが楽しかった。ナメクジやカエルは、計10匹位解剖した。身体のうずきを感じ、後に性衝動の始まりと分かった。
——————
カエルを解剖することに飽き、ネコを殺し始めた。ネコの首を絞め、口から脳へナイフを突き刺し、腹を割いて腸を引き出し、首を切り、脚を切る等した。灯油を掛けて焼死させたこともあった。
普通はこの段階で、「これは残酷な行為でしてはいけない行為なんだ」と周りから気付かされるのが一般的なのですが、母の教育方針の転換等もあってか、常識のある大人からの意見は全く得られなかったようです。
そんな行為の最中に少年は性的に興奮して初めて射精するという経験もしているわけですが、ここで大人の意見が得られなかったのが次の「最悪の運」を逃れることができたかもしれないターニングポイントです。
最後のターニングポイントは友だちからの偏見です。
親に話せないことであっても友だちには話せることは多々あります。
小学6年の時に
ネコを虐待しているとき、性的に興奮し、始めて(原文ママ)の射精を経験した。性衝動と動物殺しとの関係を自覚し、皆も同じと思って友達に話したが、君は変だと言われた。
そして、中学1年のときに
ネコ殺しでは物足りなくなり、週に何回か自慰行為をする際のイメージはいつも、人間の腹を割き、内臓に噛み付き、貪り食うシーンであった。その人間は、胴体と四肢だけで、男でも女でもなかった。友達もそうだろうと思って、殺人のイメージで自慰行為をしていることを話したが、「おかしい」と言われた。
といったような経験をしています。
自分の性格を、友だちに話したところ拒否されたしまったのが次の「最悪の運」です。
ここで、少しでも理解できる(理解とは言わなくとも、受け入れてくれる)友だちがいたらまた違ったのかもしれませんが、こういった経験を経て、自分とは別の「酒鬼薔薇聖斗」が誕生したようです。
なお、小学校卒業から中学校入学の間にこんなこともあったようです。
小学生の自転車をわざとパンクさせたり、女子同級生の体育館シューズを隠し、焼却炉で燃やしたことで、学校から児童相談所へ相談に行くよう勧められたが、母親は少年を病院へ連れて行った。診断の結果、医師は母親に対し、発達障害の一種の注意欠陥(多動)症で、認知能力に歪みがあり、コミュニケーションがうまく行かないので、過度の干渉を止め、少年の自立性を尊重し、叱るよりも褒めた方が良いと指導した。
母がその指導に従った結果、表面上少年は落ち着きが出て、学校からも、小学校の頃からの生活から切り替えるのに約一学期かかったが、自分自身で考え方や生活そのものを改善し、よく成長したと評価された。
母親の過干渉は歪んだかたちで続いていたようです。
少年の重要な部分(ネコ殺しで性的興奮を覚える)は見逃していながら別の部分での精神的な干渉が続いていたのかもしれません。
まとめると、
- 母親の過干渉
- 動物殺しを咎められなかった
- 友達から変だと言われた
以上が、事件を起こしてしまった少年の人格形成に繋がったのではと感じました。
そして事件のきっかけですが、これもある意味性的な衝動が働いているような気がします。
中学校2年生の2月始め、階段で擦れ違う際、3年生の女生徒からまっさらの運動靴の上から足を踏まれ、謝罪をさせようと付け回していたところ、平成9年2月10日午後の授業が終わった後、制服姿でカバンを持ったまま、3年生の女生徒の自宅付近で待ち受けていたが、逆に怒鳴られ追いかけられて逃げたが、屈辱感を覚え、心理的錯乱状態に陥った。その直後から、一連の非行が開始された。
詳しくは分かりませんが、女生徒にひょっとしたら母親を見たのかもしれません。
この後すぐ、小6女児二人をハンマーで襲い、一人を死なせています。
マスコミや警察もまさか中学生が犯人だとは思わなかったでしょう。
誰にも気付かれずに行為は増長し、あの事件に至るのです。
1997年5月27日早朝、神戸市須磨区の中学校正門に、切断された男児の頭部が放置されているのを通行人が発見し、警察に通報。5月24日から行方不明となっていた近隣マンションに住む11歳の男児のものとわかった。耳まで切り裂かれた被害者の口には、「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」名の犯行声明文が挟まれており、その残虐さと特異さからマスメディアを通じて全国に報道された。
こちらは当時のニュース。
残虐な事件でしたが、未発達の少年だからこそ起こしてしまった事件だと感じます。
様々な要因が重なり、運悪く起きてしまった殺人事件。
とはいえ、やはり、母親の存在は大きかったようですね。
厳しくしつけられ、母親から愛情を感じられなくなっていき、歪んだ性衝動に走り始める。
やはり形はどうであれ、母親の一番の仕事は子どもを愛してあげることだと思います。
それは、しつけや教育とは違い、心のふれあい。体のふれあいだったりします。
理屈じゃなく、抱きしめてあげたり、声をかけてあげたりするだけでいい。
簡単そうで実は難しいのかもしれませんね。
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Comment
昔の農家なんか、朝乳与えおしめ変えたら夕方まで放置で農作業にでかけたみたいだが、ほとんど犯罪者になってないと思う。
育児したくてもできない、そんな状況がいいとは思わないが、太古の昔から親が忙しく子どもにつきっきりになれないのは普通のことだった。祖父母、父親、兄弟や近所の人、自然などが果たしてきた役割を、平凡な母親が一人でするのは無理では。父親は不在、母親が放置したら愛情不足、構えば過干渉になるという。
当時も学校や世間でカーストが生まれ、個性的だと叩かれ浄化されかねない空気が蔓蔓延していた。いじめも深刻化し、人権意識乏しく差別意識はより強まっていた。それらは何も改善されていない。
生まれつきの特性や家庭の責任もあるだろうが、それだけとは限らない。
育てられ方で殺人鬼になるなら沢山の人間が殺人気になるかと思います。
少年A程度の話はそこら辺に転がっていますし その程度の厳しい躾程度で人は殺人鬼になったりすることはないと思います。同じに育てられた兄弟を見れば分かるように。人格形成に家庭環境などが0%だとは言いませんが殺人鬼になるかならないかは一番は脳の問題。性癖などは生まれ持ったものが大きいと思いますし逆に環境ではなかなか変えられないと思います。親に虐待されて育った人も知っていますが憎しみではなく快楽として「人が殺したい」とか人を殺してそれを見て性的興奮を覚えるなどということを感じるのは普通のことではありません。どんなふうに育ったかは関係ないと思います。そこまでになるともはや脳の異常かと思います。
それはあなたの意見か?専門家の意見か?
この記事全然共感できない。
まず母親の断乳時期や、書かれてある厳しいしつけにそれほど問題があると思えない。
猫殺しはやりすぎにしても、カエルやナメクジなどの殺傷は子供なら経験することだから殺人鬼になるキッカケの一つとは考えにくい。
最後の友達からの偏見って書かれてますが、猫殺しながら性的興奮する友達を受け入れられる小6の子供がいると思いますか?
お前はおかしい、って正直に言う子が普通だと思いますが。
何か事件があれば親の不在、過干渉、ネグレクトなど原因やキッカケの追求をすることは理解できますが、この事件で感じることは、だれが関わったにせよ、サカキバラセイトという人間を止めるこは難しかったのでは無いかということです。
この犯人の母親も発達障害の気があるような印象を受けます。手記を読みましたが、かなり人とズレてます。発達は遺伝しますから。彼にはADHD?広汎性?があるんでしょうが、酷い育てられ方をしたからといって、発達障害当事者が犯罪を犯すかといったらほとんどの当事者は違うと思います。それは定型発達の人も同じだと思います。私も当事者です。育った環境も劣悪でした。が、こんな風にはなりません。絶対になりえません。この犯人の男性が生まれつき持っている異常な特性(脳の病気)に親の育て方や環境が引き金になったのでは?ただ、少しでも違えば、防ぐことはできたのかもしれないですね。
何名かの「家庭環境が関係ない」または「関係が薄い」とのコメントを見て、正直人格や精神分野への考え方の乏しさに落胆しています。
人格が影響を受ける最もが親(家庭環境)という真実は基本中の基本です。
個の差ももちろんあるでしょうが、上記に比べたら微々たるものです。
一般人レベルでのこの分野のさらなる発展や認知を熱願します。
同感です。
少年Aの矯正プログラムでも疑似家族を構築している・・・これは当然の方法で、家族関係に大きな問題があったことを明確に示唆しています。
少年Aの兄弟が同様の殺人鬼にならなかったのは、親の扱い方が兄弟によって大きく違うからです。同じ兄弟でも同じ環境で育った訳ではありません。このような兄弟間での上下関係までをも含めての環境、更に重要なのは夫婦関係までもが人格形成に大きく影響を与えているという事なのですが・・・夫婦関係に対しての議論が無いのも残念に思います。
夫婦の愛情が子育てには最も重要なことなのですが・・・
この記事と同感です。
親が忙しかったかどうか、躾がどの程度だったかではなく、そこに親としての本当の愛情があったかどうかということです。
母親が世間や酒鬼薔薇に対して、「私は子供を愛しています。」と言葉で言ったら、それは100%真実ということでしょうか?
子供を心から愛せない親は存在します。言葉だけで「愛している」と取り繕うことはいくらでもできます。
「お母さんの姿が見えなくなった」のは、元々は厳しい躾が原因では無いですよ。
自分を愛してくれず、壁のように立ちはだかる(ここで2次的に厳しい躾が影響してきます)親が、彼の人間としての尊厳を損なったから、あれほどまでの残虐性が育ってしまったと思います。
この記事中には出てきませんが、酒鬼薔薇が自分の弟や同級生に対して異常に執拗だったのは、彼自身が出口の無い愛情不足に苦しんでいたからのはずです。
これだけ見事に全部悪い方向へと進んでしまった例が今まで無かっただけで、本当に運が悪かった、最悪の運だったのでしょう。
上で躾に問題があるように思えないって言ってますが、子供がノイローゼになるほどの厳しい躾ですよ?ありえないでしょう。そしてノイローゼが治ったとしても、ノイローゼを引き起こしたような「物の考え方・とらえ方」というのは子供に染みついたまま。母親も途中で教育の転換をはかったみたいだがそれすら手遅れなほどに。この根本原因を母親は責任をもってちゃんと取り去るべきだった。
サカキバラも無意識下でSOSを出していた。猫を殺したり、友達に性の打ち明け話をしたり。しかし周りの誰もがその異常行動の裏にあるSOSに気付かなかった。同じような生育環境でも必ずしも全員が殺人鬼にならないのは、周りの大人によるストップが途中でかかるから。
不十分な情報と聞きかじりの知識で書いた記事
暇なおばさん達がワイドショーを観て無駄話をしているのと内容的にさほどかわらない
親と子のあいちゃく関係が失敗したのに、母親は何故3人も歳の開かない子供を生んだのだろう。避妊しなかったのか?夫と相談しなかったのか。母親自身が愛され大切に育って来たのだろうか。機能不全家族、依存症の匂いがする。
親の愛とは、何だろう。親の子に対する愛とは、共感と子離れ である。これを少年Aの親が知っていたとはとうてい思えない‼ 親自身がそれを受けていないのであれば、子供に教えられない。私達 大人は物では決して満たされない、共感と適当な時期に子離れすることをしているだろうか。学校や社会は理解しているだろうか。
親は基本的に子供を愛していません。酒鬼薔薇も殺された子供も今では人の親(中には若いのに孫がいる人も)と同世代でもちろん人の祖父母以上の世代もみな子供です。良く、少子化対策だの待機児童問題とかいわれてるだのそんなので日本社会よくなるとでも思いますか?
「遺伝か親か」と二分したコメントが多いですが、正直両方かと思われます。
親のしつけだけでほとんどの事が決まるならば、もっと厳しいしつけの家庭からもっと快楽殺人者が出てきてもおかしくないですよね。また、子供を甘やかして育てた家庭から凶悪犯が出たという話も聞きます。
一方で、遺伝だけ、という考え方も少々乱暴な気がしますね。親の態度が犯罪に影響を与えるというデータは山ほどあります。
したがって、ある遺伝子を潜在的に持っている人間は、親のしつけが不適切な場合、凶悪犯罪を起こす傾向がある、ということではないでしょうか。
>人格が影響を受ける最もが親(家庭環境)という真実は基本中の基本です。
>一般人レベルでのこの分野のさらなる発展や認知を熱願します。
ご自分が研究者であるかのような書きぶりですが、それにしては根拠も述べずに結論だけを書き逃げという印象です。