行き過ぎた個人情報保護法対策

1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。

ちょっと前の話だが、こういうことがあった。
□撮影ご遠慮ください、保護者から不満も　田辺中学卒業式（和歌山）（紀伊民報） – Yahoo!ニュース

　3月に初めての卒業式を迎える田辺市学園の県立田辺中学校（浜野公二校長）は、個人情報保護法などを理由に、会場での保護者らによるカメラやビデオ撮影を事実上禁止する方針を立てている。

規制が悪だとは思いません。
確かに「酒飲み運転」を厳しく規制することで多くの飲食店が閉店しました。
一方でそのことで運転代行サービスに対する需要が高まるなど、新しいビジネスも生まれています。
もちろん、交通死亡事故も減っています。
□交通事故による死亡者、前年比－10.3％の5155人に:Garbagenews.com

ところが、こいつはいけません。
そもそも、個人情報に顔写真は含まれるのか？
□個人情報の保護に関する法律の概要

「個人情報」…生存する個人に関する情報（識別可能情報）

なるほど、一応含まれるみたいですね。
となると、スナップ写真や素材集のモデルさんなんかも下手すりゃ「個人情報保護法」に引っかかるのか？
□スナップ写真は個人情報保護法にひっかかる？ – 教えて！goo

　まず個人情報の対象事業者なのですが、5千人以上の個人情報を管理している事業者が対象ですから、そもそも法の対象にならないと思いますよ。
（中略）
個人情報保護法とは、相手に確認をとらず（同意を得ないまま）個人情報を暴露（公表）し、それによって相手に社会的に不利益となった場合に訴えることができるというものです。（民法の不法行為法によっています。）

非常に分かりやすい答えをありがとうございます。
つまり、5千人以上の個人情報を管理している事業者が対象という点から中学校を考えてみると、
1クラス40人10クラスとしても400人×3学年＝1200人にしかなりません。
仮に小学校として考えた場合、400人×6学年＝2400人。1学年20クラスでも4800人で対象にならないようですね。
むしろ、代々卒業アルバムをつくり、5000人は超すであろう生徒たちが写っているアルバムを管理している学校側にこそ個人情報を保護する必要があるわけです。
仮に卒業式のスナップ写真が個人情報保護法の対象になったとしても、それが撮られた相手にとって社会的不利益になる状況などあまり考えられないでしょう。
ただ、これに関してはいろんなことが起こる世の中なので一概には言えないかもしれませんが。。

これはやはり行き過ぎた個人情報保護法への対応だといえるでしょうね。

ブロガーイベントでご一緒して以来、たまに読ませていただいているブログでも批判されているようでした。
□Wish! | わが子の写真も撮れないのか　　個人情報保護法
たしかにそうですよねぇ。

【3月27日追記】
□記念に宇宙へ飛んだ小中生10万人の写真を全加工！ 世間の声は？ ? 未来検索ガジェット通信

子どもたちのプライバシーを考え、10万人の子どもたちの写真をすべて加工し、ひとりひとりの顔が判別できないようにしたのである。

個人情報保護法の条文を工夫しないとこんなことがいつまでもなくならないでしょう。

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