日本のWebは残念だとかそういう話
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。
「ウェブ進化論」を書いた梅田望夫さんが「日本のWebは残念」と言ったのはついこの前。
□日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (1/3) – ITmedia News
それ以来、様々なブロガーたちが「Webは残念」に対して意見してきた。
後出し感はぬぐえないが、僕もそろそろ拙筆ながら一個人としての意見を書いておこうと思う。
ちなみに僕は「肯定派」。
「日本のWebには残念な部分もあれば、残念じゃない部分もある」というのが極論。
ま、当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
著者:梅田 望夫
販売元:筑摩書房
発売日:2006-02-07
おすすめ度:
レビューを見る
ではまず、日本のWebの残念な部分に関して。
これは梅田さんもインタビューの中で語っていますが知に関する最高峰の人たちが知をオープン化している
といったことができていないところでしょう。
日本でこれができているのはIT・プログラム関連くらいでしょうか。
ただし、これをやろうと思ったら日本ではなかなか難しい。
それは何故か、ネガティブな反対意見が飛び交うからです。
では、何故日本はそういったものに対してネガティブな意見がポジティブな意見を上回るのか?
これはおそらく日本の文化と言葉に原因があるのではと思います。
日本の文化や言葉は非常に美しい。そして、それが表向きの現実です。
ただ、美しいものにはトゲがあります。リアル(現実世界)であればそれを隠すことでケムに巻くことは可能です。
ところが、ネット上ではそうはいきません。ポジティブな意見だとしてもどことなくトゲのある文章に感じてしまう。
リアルの世界で美しいからこそ、そのギャップがネットに現れてしまうのではないかと思うわけです。
決して英語が美しくないというわけではありませんが、そのギャップが英語には少ないように感じます。
場合によっては、英語で書かれたポジティブな文章を日本語に訳すことでネガティブに感じてしまう。そういうことだってありうるんじゃないかと思うんですが、こんなこと、英語が読めない人間の言うことじゃないですよね。
それからもう一つ。
以前、「レベルが低いのは日本のメディアか日本人か?」で触れたのですが、日本は諸外国に比べありとあらゆる層でインターネットができる環境にあります。
そういった中にはかなり質の悪いユーザーもいるわけで。。
しかも、そういったユーザーの意見がすべてになっちゃう可能性もある。
□パレートの法則 – Wikipedia
ある意味、梅田さんは運が悪かったのかもしれません。
もっとも、はてなブックマークのシステムにもちょっと問題があるのかもしれませんが。
それから、ちょっと方向性は変わってきちゃいますがこういった意見も。
□日本のウェブが残念なのは、ガラパゴスケータイという下衆メディアが独自の進化を遂げた成果ではないか : 課長ほど素敵なショーバイはない!?
ケータイサイトの広告がアダルティックなものばかりという話。
たしかにそうですよねぇ。。
でも、ビデオもインターネットもここまで普及したのはアダルトのおかげという話もききます。
課長も言っていますが、決してネガティブ(残念)なことではないでしょう。
続いて残念じゃない部分に関して。
先ほど「残念」と思わせる原因の一つとしてあげた「あらゆる層がインターネットができる」といった点。
これ自体は決して残念なことではなく、むしろ喜ぶべきことだと思います。
Web上では社会的格差や身分を超えてすべてが平等であるからです。
それどころか、むしろ貧困層にとってインターネットは武器になります。
たとえば、大手企業の顧客に対する悪い対応を録画、録音してそれをYouTubeにあげるだけでもかなりの影響力があるでしょう。
□東芝クレーマー事件 – Wikipedia
それは政党に対しても同じ。電凸(でんとつ)なんて言葉が生まれるほどです。
□児童ポルノに関して政党に電話突撃した『ニコニコ動画』が大人気 – ガジェット通信
そして、それが「知に関する最高峰の人たちが知をオープン化
するための足かせになっている。」というような意味の文を上では書いていますが、実はそうではありません。
「足かせ」ではなく「ふるい」だと思います。
精査されつつ少しずつですが知に関する最高峰の人たちが知をオープン化し
始めているのです。
これは、ツイッター等そういったことに適したインフラが現れてきたというのも一因かもしれません。
特に政治家の方がツイッターを始めたのはすばらしいことだと思います。
□「Twitter × 政治」ワークショップの資料集:小鳥ピヨピヨ
ここまで書いてきてまとめると、日本ではWebも日本的に進化しているといった感じがします。
だから、結果が出てないからといって、今から「残念だ」とあきらめてしまうのはちょっと「残念」な気がしますね。
ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
著者:中川淳一郎
販売元:光文社
発売日:2009-04-17
おすすめ度:
レビューを見る
アドセンス広告メイン
関連記事
-
日本では30分弱の労働、グルジアでは約2日間の労働でビール1杯が飲める
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。ビール1杯飲むのにどの程度の労 …
-
最近Web上で流行っているモノ
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。最近Web上で流行っているモノ …
-
「ピーロート・ジャパン」から1年以上たって返事が来た
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。みなさんは覚えているだろうか? …
-
彼氏追跡アプリ「カレログ」はウイルス。「ウイルス作成罪」に当たる可能性も
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。Android(アンドロイド) …
-
若い人はゲームをしない。ソーシャルゲームを積極的にしているのは中年のおっさん、おばさんたちだった
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。そういや、自分も最近ゲーム熱が …
-
日本にはエリートはいない
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。日本にはエリートはいないと言う …
-
昨日の続き
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。と、いうことで、 いろいろ見て …
-
まだまだ僕には電子書籍は早過ぎる
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。たまたま手に入れた本が肌に合わ …
-
人気サービスの定期デマ。LINE(ライン)も有料化の噂が広がる
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。そういや、以前ツイッターでもあ …
-
仕事の変化
1年以上前の記事です。内容が古い可能性があります。連休リフレッシュ!! できたの …
Comment
引用&リンク、ありがとうございます。
米国のWASP的な価値基準で「残念」なのは至極まともなんですけど、彼らには想像のつかない単一言語国家の我が国では、消費ピラミッドの下層階層がどんどん表出化しているんですね、きっと。
という偏屈ポジティブな立ち位置です。^^;